ホラーゲームの歴史にワクワクする日
先日ブックオフをさまよっていて、面白そうなムック本を見つけた。
私はコンシューマーゲームを結構遊ぶほうで、中でもホラーのジャンルが好きである。実際自分が怖い目に遭うのは絶対に嫌だが、本や映画やゲームに怖がらせてもらうのは大好きというのだから、人間って不思議だ。『野狗子』楽しみだなあ。
そして攻略本やファミ通で育った世代、こういう本が大好物だ。たまらん。さっそく買って帰った。
帰ってさっそく読んでみた。ファミコンどころかMSXからのホラータイトルの歴史がずらっと紹介されていて、わくわくする。あっさりした紹介で少々物足りないと言えばそうだけれど、その分読みやすいのでさくさく読んだ。
パソコンやファミコンの古いホラーゲームというものに、なぜだか非常にときめく。ドットはロマンだ。
子供の頃にあまり怖いゲームをやった記憶はない。確か『ファミコン探偵俱楽部』のCMがめちゃくちゃ怖かったという記憶はあるが、ディスクシステムというものがよくわからなかったので親にねだってみた事さえなく、何せドラクエ3が面白すぎたので3年くらいずっと遊んでいた。
読んでいくうち、思い出した。
そうだ、はじめてハマったホラーゲームは『かまいたちの夜』だ。チュンソフトの生んだ、サウンドノベルという当時革新的だったジャンルだ。メインシナリオはホラーというよりミステリーで、心霊や超常現象の類は一切無しだが、本当に怖い。
吹雪によって陸の孤島と化したペンションで殺人事件が起き、プレイヤーの選択で事件を解決できなければ宿泊客が一人また一人と殺害されていく。
コマンド選択で進めていくADV形式ではなく、小説をゲーム画面上で読んでいきながら、時折示される選択肢を選ぶノベルゲームだ。
選択肢で展開が大きく分岐するシステム、そしてシルエットで表される登場人物のビジュアル、音楽、効果音、それらが加わることで小説とは全く違うものになる。自分が雪に閉ざされたペンションで殺人事件に巻き込まれているようだ、と当時の私は頭をぶん殴られたような衝撃を受けた。
サウンドノベルに夢中になった私は、その後『学校であった怖い話』にものめりこんだ。
校内新聞の記者である主人公が、6人の語り手から1人ずつ怪談を聞いていくというゲームで、話を聞く順番で語られる怪談の内容が変わり、隠しシナリオが現れたりもする。怖くて1人ではプレイできなかったので、友人と手書きのチャートを作り、おそらく全シナリオを読破した。
後にプレステに移植されたタイトルだが、スーファミの粗いグラフィックのほうが断然怖かった。本にももちろんこのタイトルの紹介ページがあったが、当時私と友人たちを心底震え上がらせたスーファミ版「逆さ女」と数十年ぶりに邂逅して、ヒッ…と言ってしまった。
アクションゲームでは『バイオハザード』も衝撃だった。最初に遭遇するゾンビがゆっくり振り向くシーンが忘れられない。『クロックタワー』も『エコーナイト』も、『零』も好きだ。『サイレントヒル』は2が最高だ。
日本の寒村が舞台の『SIREN』は雑誌の付録だったかで入手した体験版があまりに面白く、発売前から楽しみにしていた。敵の視界をジャックして隠れながら進む、じめっとした嫌な怖さが延々と続く。ストーリーは語られすぎず、作り込まれたアーカイブ等を頼りにプレイヤーが補完する群像劇。「私はずっとこういうホラーゲームがやりたかったんだ」と感動さえした。
厳密にはホラーとは言えないかもしれないが、ダークなシナリオが特徴的な『刻命館』シリーズも未だに好きで、たまにPSアーカイブ版をやる。アリが怖いのよ。あと魔人形。
ああ、ホラーゲームっていいものだ。
夏はもう終わりそうだけれど、肝を冷やすゲームを久しぶりにやりたいなあと思わせてくれる一冊で、とても良かった。
というかこの本、作業机の隅に置いてあって、疲れたらたまに眺めている。『プロデュース』というソフトが面白そうで、すごくやってみたいが、PC-8801ではなあ……。